孤独・コミュ障から脱出したいあなたに(後篇)ー対人スキルよりも大切なことー

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前編は〈コチラ

「あがり症」と孤独の関係

実は、この実験に取り掛かる前、全ての生徒たちがどの程度孤独であるのか調査されました。その結果、孤独な生徒たちほど、孤独でない生徒たちより感情の読み取りが苦手だという結果がでましたが、やはりそれは彼らが「社交スキルをテストされている」と言われている時だけだったのです。要するに、似たような内容のテストであっても、それが自分にとって苦手なものだと認識したり緊張してしまうと、本来の能力を発揮できなくなってしまう傾向があるということです。

この結果から孤独な人々に見えてくるものは、どこかに属したりする時や対人関係を築く際に発生する「心の動揺」や「痛み」が理由となって、感情に過剰な注意を払っているのかもしれないということ。そして、それは孤独な人に「自分が孤独なのは、社交スキルが他の人よりも劣っているからだ」と思わせ、パフォーマンスを落としてしまうということです。学校での発表や会社でのプレゼンで、間違えないようにするため緊張しないようにしていると、余計緊張してしまい間違ってしまうようなケースと同じです。対人関係での「あがり症」が緊張を誘発し、それが更に対人関係の苦手感を強め、結果的に望まない孤独へと連鎖していくということです。

ちなみにノウエル教授はもう一つ実験を行いました。参加者たちに栄養ドリンクのような飲み物を与え、彼らが落ち着かない感じを覚えるのは彼らが今摂取したカフェインによるものだと告げます(実際にはその飲み物にはカフェインは含まれていないが参加者達は含まれていると信じました)。それから彼らは最初の実験と同じように感情読み取りのテストを行うと、孤独でない参加者の点数はドリンクを飲む前後で認識できる程の大きな差異はでませんでしたが、なんと孤独な参加者達のスコアが改善したのです。これは、上手く話したり行動しようと思って無意識に発生した神経過敏を、カフェインによるものだと認識をすり替えたことで参加者の認識が変わったということです。孤独が「あがり症」への過剰反応からくるものだとすれば、孤独でなくなるためには、まず「あがり症」との付き合い方が考える必要があります。

 

状態が能力を選ぶ

このfaretechを運営しているモチベーションスタジオ(モチスタ)では有料のカウンセリングサービスを提供しています。多くの人々をサポートする中で、我々が大切にしている考えの中に「状態が能力を選ぶ」という考え方ありますが、「あがり症」についての対処方法としても、まず第一に考えていただきたいのは「状態を良くする」ということです。そのために大切にしていただきたいのは、人との関わりの中で問題なく対処できたという成功体験を覚えておくということ。幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、会社、ゲーム、どの場面でも良いので自分が他人と問題なく関われた時のことを思いだしてみてください。親、親友、趣味の友達など、どなたでも結構です。交渉に成功した~みたいに特別上手くいったものでなくても大丈夫です。日常的な関わりの中で問題なく過ごせたことこそ、大きな成功体験です。そして、少しでも気が楽になったら、対人関係で気分が落ち込んだ時に思い出してください。

そして、いい状態でいる時間を少しでも長くすることができれば、楽になれる時間が少しずつ増えてきますので、人と関わることも少しは楽になるかと思います。そして最後に、大切なのは「人に良い印象を持ってもらおうとすること」を止めることです。良い状態であればポジティブに考えやすくなるかと思いますので、自分の「あがり症」や孤独が気になっている人は試してみてくださいね。

適度な孤独はいい刺激になります。稀に、ずっと孤独でいても問題がない人もいます。でも、どんな人でも孤独でいることが嫌になったらすぐ脱出しても大丈夫。孤独である自由もあれば、孤独でない自由もあります。人恋しい気持ちは恥ずかしいものでもなんでもなく、とても大切なことです。でも、ずっと誰かと一緒にいるのもしんどいので、なりたい時にカジュアルに孤独になって、カジュアルに孤独から脱出できるのが一番良いですよね。孤独を楽しんで、孤独を飽きる、自由な人生が一番ではないでしょうか。

ソース:Why Lonely People Stay Lonely(NY.MAG)Loneliness is a major health risk for older adults

翻訳:N.Y

分析:竹中辰也

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