自動運転車がもたらす破壊と創造(前編)【未来の「はたらく」を考えよう 】

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3行でまとめると

1.自動運転車が生み出す”便利な未来”がある

2.自動運転車が破壊する”今の仕事”もある

3.変化せざるを得ない社会を、楽しく生きるには?

自動運転車と聞いてあなたは何を思い浮かべますか?GoogleのGoogle Self-Driving Car Projectではすでに完全自律運転自動車(autonomous )を街中でテストしており、一般実用化が近づいてきています。また、ゼネラル・モーターズ(GM)の2017年モデルは、自動運転によるハンドル、アクセル、ブレーキの制御を行う技術を特徴としています。例えば、中々進まないような交通渋滞では自動運転に切り替えて休憩したり、長々と続く高速道路では自動運転に任せてみたり、とさまさざまな場面で活用することができるとのことで、運転にかかるストレスを軽減し更に快適な運転スタイルを目指しているとのこと。Googleがテストしている無人自動車と異なり、GMのシステムでは、運転手が常に注意し、いつでも自動車の制御を再開できる状態にいることが必要ですが、じわじわと自動車のあり方が変化してきていますね。

テスラモーターズのCEOであるイーロン・マスク氏(Elon Musk)は2015年モデルは90%自律運転が可能になるだろうと言います。また、あなたが車に入って眠って起きた時には目的地にいるという真の自律運転自動車が2020年までには一般に利用できるようになると予測し、実現に向けて開発を行っています。こうした情報を眺めてみると、自動運転車が街中を走る時代もそう遠くないと思えてきますよね。でも、そんな未来がやってきたとすると、私たちの生活はどうなってしまうのでしょう。例えば、あなたがタクシーの運転手だとすると、未来にはどうなっていると思いますか?働き方は変わっていますか?生き方は変わっているでしょうか?

農業革命や産業革命やIT革命によって、人の生活は大きく変化してきました。自動運転車が普及した未来では、私たちの生活や働き方はどのように変化するのか、THE PERSONAL BLOG OF ZACK KANTERの記事How Uber’s Autonomous Cars Will Destroy 10 Million Jobs and Reshape the Economy by 2025をもとに考えてみます。

 

1.自動運転車が生み出す”便利な未来”がある

人間の精度で車道を走るのをやめれば、高速道路を走る車の量を今の2倍から3倍に増やすことができます。車の位置を調整してもう少し車間を狭くしレーンの幅も狭めるなら、高速道路の渋滞はなくせます。みなさんは毎日の通勤のため、平均して52分もの時間を道路の上で無駄にしています。これは取り戻せる時間です。アメリカだけで40億時間の無駄です。91億リットルのガソリンが無駄になっています。

ソース:Googleの自動運転車で目指していること (TEDTalks)

アメリカに自動運転車を導入した際の効果を、モルガンスタンレーが試算したところによると、事故が90%減少することにより年に3万人の命を救い、212万人の負傷を防ぐと見積もっています。日本では年間の交通事故死亡者数が4113人(2014年)ということなので、3600人の命が救われることになりますね。日本はアメリカとは違い、国土が狭いので自動運転車網を整備するのは骨が折れるかもしれませんが、素晴らしいメリットであるといえるでしょう。

また、コロンビア大学の研究では、ほんの9000台の自律自動車があればUberはニューヨークの全てのタクシーに取って代われることを示唆しています(現在は1.3万台)。無人自動車は駐車する必要がありませんので、道路沿いの駐車場が消滅し、多くの都市の道路に新たな余地をもたらします。駐車場やガレージ、タクシー乗り場は劇的に少なくなり、いつでも乗れる自動運転車が交通の便利を良くすることで、交通ストレスがフリーになるでしょう。運転時間を別のことに充てることもできますよね。

現状、何らかの障がいを持っていて車が運転できない人は、①誰かに運転してもらう、②公共の交通機関を活用する(バス・電車など)、③民間の交通サービスを利用する(タクシーなど)、といった方法で移動をしています。①、③は便利ですが維持費や料金が高く、自分の好きなタイミングで活用することが難しいですよね。タクシーの割引も自治体によってまちまちです。②は福祉サービスのおかげで格安(または無料)で利用できますが、使い勝手は良いとはあまり言えません。自動運転車による公共交通機関網ができれば、タクシーを公共交通機関の料金で使えるようなもの。非常に使い勝手がよくなりますよね。

そもそも自動車は家の次に高価な資産です。タイムズカープラスのようなカーシェアリング(自動車共有)サービスが急速に人気を得てきているように、Uberのようなライドシェアリング(運転共有)サービスが日本でも普及することができれば、都市部ではこのようなサービスを利用するとより節約が可能となります。障がいの有無に関わらず、「車をもっていないと不自由な社会」より「車を持たなくてもなんとかなる社会」の方が生きやすいと言えますよね。もちろん、運転手がいないことによって起きうるトラブルも出てくるかもしれませんが、運転手がいることによって起きうるトラブルが減ることを考えると、十分釣り合いが取れるのではないでしょうか。

車の事故が若者の死因の第1位なのはご存じですか? そのほとんどは、車の問題ではなく人間のミスによるということを? これは機械の力によって防ぎうることなのです。

ソース:Googleの自動運転車で目指していること (TEDTalks)

自動運転車がもたらす便利な未来は、私たちの生活を劇的に変化させる力があるといえますね。では、自動運転車が破壊するものについては後編で考えていきましょう。

【後編はこちら】

ソース:How Uber’s Autonomous Cars Will Destroy 10 Million Jobs and Reshape the Economy by 2025

文責:竹中辰也

翻訳:N.Y

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